PS 100pieces2☆67時を遊べば わかるのだから 戯れたって いいでしょう 今を生きれば わかるのだから 恋してみたって いいでしょう 空腕のままに 君を待つ僕 「春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ」 【B67 神聖なる愛/小さきことの中の愛】 ☆64 コトコトと 寝しなに響く時の声 霧ふかい世にこだまする言伝てか からからと 晴れたかしらに浮かぶ色 耳すませ目こらせ すでにあるものを 「朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木」 【B64 ジュアルクール】 ☆20 波濤にて 砕きに砕けば 見えなくなるのか 軽くなるのか 君に届くものならば この思い 海原に撒こう 消えゆく前に 「わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても 逢わむとぞ思ふ」 【B20 チャイルドレスキュー/スターチャイルド】 ☆70 孤独携え 生きるもの この砂利径に 足踏み下ろす度に 沈む無数の ときを越え 孤独を支え 生きるもの 身を震わせて 肩落とす君から 輝き出でる 哭き砂のおと 「さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづくも同じ 秋の夕暮」 【B70 壮麗なるヴィジョン】 ☆71 瞳閉じ 熱き此の背に ちから込め 伸べる羽先に 風梳かせ 急転直下 刃の葉先に 爪立ち 空を蹴り ふわりと彼の地に 降りるまで 「夕されば 門田の稲葉 おとづれて 蘆のまろ屋に 秋風ぞ吹く」 【B71 エッセネボトルII/蓮の花の中の宝石】 ☆11 舳先にたち 海原を抱える 波を越える舟ともに 逸る魂 どこへゆこうとも ただ 結ばれし先は かの人のもと 「わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人のつり舟」 【B11 エッセネボトルI/花の鎖 aurasoma】 ☆56 海の泡 小滝の飛沫より なお儚いの 痕などつけず 去るつもりの私なの 思い出はいらない 記憶にも残さない ただ 今ここで 「あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの 逢ふこともがな」 【B56 セントジャーメイン/ (サンジェルマン)】 ☆35 傷つき倒れ 手を延べる先に触れたもの なお立ち上がる 覇気をくれたもの たとえあなたが 忘れていても 蘇えり照らす あの言の葉の灯 「人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける」 【B35 親切】 ☆41 限りなく愛い奴を 演じる俺 瞳をふせて 肩を落とし わかりやすいんだよな、などと思わせて 鈎針の届く範囲で さっと戴く 1000年待った栄光って こんなもの? 「恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人しれずこそ 思ひそめしか」 【B41 叡智のボトル /黄金郷】 ☆69 嵐の夜に 腕を寄せて ひとつ ふたつと 飛礫を放つ さざなみの彩を絹布に写し 沈まぬ錦を散り敷く川面 繰り返し 繰り返し 「嵐吹く 三室の山の もみじ葉は 竜田の川の 錦なりけり」*69 【B69 鳴り響く鐘】 ☆74 漆黒の 夜にゆらり ゆらりと歩をすすめ 吹きすさぶ 風にふらり ふらりと足とられ その視線のかけら もし与えられたなら 膝がつき 頭垂れ 祈るかたちになる僕を 「憂かりける 人をはつせの 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを」 【B74 勝利】 ☆75 待つなど訳もないことと 佇み瞬くうちに時は過ぎ 彼方の水底に沈みゆく 一片の彩を危うく掬い 掌にひらいてはみたけれど みたけれど 「契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり」 【B75 流れとともに行く】 ☆68 覚えていて また巡り来るまで 待っていて また戻り来るまで 生き過ぎてしまったと 嘆くなら その蒼い瞼に あの月を描いて 褪せぬ光で 照らし染めて 「心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな」 【B68 ガブリエル】 ☆10 夜の駅にて 永の別れとも また会うともわからぬまま 人まだ多く行き交う瞬景に 我も加わる 「これやこの 行くも帰るも わかれては しるもしらぬも 逢坂の関」 【ゴーハグアツリー (行って木を抱きなさい)】 ☆25 ねーぅねーぅと鳴く猫の くるくる遊ぶ つる草に 結ばれし夢の 跡たぐり 秘かに踏もう 恋の虎の尾 「名にし負わば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな」 【回復期のボトル /ナイチンゲール】 ☆78 君の呼吸が聞こえる この枕辺で 僕の鼓動を合わせる 眠られぬまま そら翔けて くもを蹴り とりを越え はるかな影に 逸っていたときと いま 「淡路島 かよふ千鳥の なく声に 幾夜目ざめぬ 須磨の関守」 【クラウンレスキュー】 ☆44 抱えておくことができなくて またも手に取る 幾多のツール 知る身と知らぬ身を分け隔てる なゆたの絡繰りをかいくぐり 水底を蹴った先に逢えたもの 「逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし」 【B44 守護天使】 ☆66 解るわけがないでしょ 目に映らないんだもの まだ 解ってくれるなんて嘘 だって知らないんだもの 私も 摘まれる花に痛みが無いなんて 誰が決めたの 枯れ急ぐ花に寂しさがないなんて 誰が言えるの 「もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし」 【B66 アクトレス(女優)】 ☆82 恋しても恋しても あさ起きて 夜は眠るの 涙しても涙しても 瞳ととのえ いまを活きるの やがて 夢にもあらわれぬ そんな日がみえても 「思ひわび さても命は あるものを 憂きにたへぬは 涙なりけり」 【082 カリプソ】 ☆83 何処に行こうと いつもわたしがいて その私の傍には ぴたりとあなたがいる 足続くまま 進まねばならぬ 創りて歩むか 辿りて踏み広げるか 何れ逃れられぬ 彼方への道 「世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる」 【083 オープンセサミ】 ☆84 何のためったら なんのため? 生きているのは なんのため? 何のためったら なんのため? 永らえたいのは なんのため? 幸せになりたいのは なんのため? 辛くっても先へゆくのは なんのため? 「ながらへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ いまは恋しき」 【B084 風の中のキャンドル】】 ☆85 こっちへおいでの 声に惹かれて 騒々とざわめく 波間に踏み出し ひたりと触る夜の冷たさに ああ私がいると 知ってしまったからには 「夜もすがら もの思ふころは 明けやらで 閨のひまさへ つれなかりけり」 【B085 タイタニア】 ☆86 啼く僕 あるのみの月 みるきみ 視線を散らすぼく 粛々と熱狂に浸れば 慣れて 肌身と変わらぬものを 未だ 時はあるのみ 永遠に満ちはしないの 「なげけとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな」 【B086 オベロン】 ☆88 こんなとこにいるなんて おもってなーかった どこまでどこまでゆけるんだろう なんて ゆーらゆら ながれていたかっただけなのに さあ なよなよとすくいとられ いきふきかけられ あつさつめたさにころがされ まだ こんなところにいるなんて 「難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき」 【B088 翡翠の皇帝】 ☆89 知りたくはないの このままでいたいの 伝えたくはないの ただここにいたいの なのに いまにも音に変わろうとせき上がる ならば息の根 ふくらみにふくらませ はじけて散るなら 「玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする」 【B89 エナジーレスキュー】 ☆90 まだ端然と していられるのね あの あたりをはらう風に 慄きもせず すでに肩口まで 濡れそぼっているのは わかっているのだよ ただ 布目を通す その色が 見えないの 織目ひとつも 解けはしないのだから 「見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色はかはらず」 【B90 ウィズダムレスキュー】 ☆91 独りでいたいの この静かな夜には 乱されたくはないの 波打つ心が ようやく凪いだいまは 寒さに震えるからだが 熱を希い 縮んだかたちを ここで変えられるように 「きりぎりす なくや霜夜の さむしろに 衣かたしき 独りかもねむ」 【B91 フェミニンリーダーシップ】 ☆92 ゆらゆらと 波濤をゆく ベールのごと うろくずを 揺れに並べて もはや その痕は 落ちもせず 冴えもせず 重ね重ねて 色にいつなる 「わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね 乾くまもなし」 【B092 グレーテル】 ☆93 僕はよいのだ 何があろうと たゆたう小船にのせられて 次の飛沫に還されても そのゆららの繋いだ ひとつをとれば かざして観える 万丈の生 「世の中は 常にもがもな 渚こぐ あまの小舟の 綱手かなしも」 【B093 ヘンゼル】 ☆95 天を覆い 地を塞ぐ袖を越え 音吐は そこに届いているのか 海鳴を聞き 次に立つ背は 数多の手の篤さを 確かに覚えて 「おほけなく 憂き世の民に おほふかな わが立つ杣に すみぞめの袖」 【B095 大天使 ガブリエル】 ☆96 木々にはとけぬ 淡き色降り初め 凍てつく窓辺に ひらと観る光華 いまは去るとも また巡りくる時 「花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり」 【B096 大天使 ラファエル 】 ☆99 知ってしまったから あなたを想うの 想ってしまったから あなたを哀しむの 凪いではすぐに 湧きあがり たなうらにさえ 蠢きを伝え このうつしみゆえに あなたがいるなら 「人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに 物思ふ身は」 【B099 大天使 ザドキエル】 ☆100 たとえ のきばがうせようと あなたのいる ここが陽の元 千歳を いくたびもくり返し 昔のうえに いま今を重ねて 「ももしきや 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり」 【B100 大天使 メタトロン】 ☆98 かみかもに うつる夕映え 熱おびる日も ようように終わり きょうも炒られ あすは雨かぶり 馬上に屋宇あるごとの 夏も過ぎしか 「風そよぐ ならの小川の 夕暮は みそぎぞ夏の しるしなりける」 【B98 大天使 サンダルフォン】 ☆652 耳にするあなたのほうが 私にはかえってリアルで 目にしたあなたのほうが 悲しくも修正しが必要で 「高砂の 尾上の松に ふく風の 音にのみやは 聞きわたるべき」 【B52 レディナダ】 ☆231 満たされて もういいよと 流れるのが なみだなのに 染められて もういいよと 落ちるのが このはなのに 「木の葉だに いろづくほどは あるものを 秋風ふけば ちる涙かな」 【B31 泉】 ☆732 なぜなぜなびく すぐ忘れるのに なぜなぜなげく すぐ変れるのに 「ひとかたに なびく藻塩の 煙かな つれなき人の かからましかば」 【B032 ソフィア】 |